私の性格を大きく変えてしまった剣道

私が剣道を始めたきっかけは不純でした。

当時「おれは男だ!」という大人気ドラマが全盛で、

森田健作演じる主役がやけに男らしくてかっこよく見えたのです。

自分もそのようになれたらきっと女の子にモテるぞ、そんな思いからだったのです。

確かに当時剣道をやっている人はモテていましたね。

 

中学生の私の興味はもう女の子にモテる事、それだけだったのです。

剣道と言えば硬派なイメージがありますが、私はそれとは全く逆の軟弱な男でした。

 

さて、決めたら早いです。

直ぐに入部手続きをして晴れて剣道部員となりました。

次の日は竹刀を買いに行き、その次の日から早速部活が始まりました。

 

ところがです、稽古は思ったものとは全く違いました。

ひたすら雑巾がけと正座の日々です。なんて地味な。

これじゃ~モテるなんて夢のまた夢じゃん、直ぐに部活を辞めようと思い始めましたね。

でも、此処で直ぐに部活を辞めればみんなに笑われる、

女の子たちにも白い目で見られる、そう思うと辞めるに辞められません。

 

さて、部活は相変わらず雑巾がけと正座の日々です。

今振り返ると、この時期が合ったからこそ

堪え性のない私に我慢することが身に付いたのだと思います。

つまらない、目立たない毎日でしたがとても大事な経験を得られたんだと今は感じます。

 

あれから3ヶ月、ようやく竹刀を握る事を許されました。

防具を付けての練習が出来るようになったのは夏でした。

暫し体育館の大きな鏡を見てうっとりとしましたね。

これならモテるぞ、そんな思いがまた蘇って来たのです。

 

ところが夏の防具、特に面はもう公害ですね、とんでもない異臭がするのです。

稽古が終わってから水道で頭を流すのですが臭いが消えないのです。

これには参りました。

こんな臭いがすると下校の時に万一憧れの女性と

一緒に帰るようなシチュエーションがあったとしても

3メートルは離れなければなりません。

 

剣道という凛々しいスポーツ、表向きはかっこよく見えますが、

いざ始めると様々な苦労があるのだと知りました。

 

それからは防具をつけての素振りが中心でした。これも地味でしたね。

そしてやっと試合形式の稽古が始まったのは秋になってからでした。

これは楽しかったですね。負けず嫌いの私の本領発揮です。

とにかく相手より上手くなりたい、勝負に負けたくないという気持ちの毎日でした。

 

稽古が終わって家に帰ってからも1時間以上素振りを続けましたね。

今思うとこの時期に私の性格は大きく変わって、私という人格を作り上げたのでしょう。

あれほどモテたいと思っていたのに、そんな事を忘れて

剣道が強くなることにひたすら邁進したのです。

地味な日々の稽古も厭わなくなったのです。

そうなったのはやはり剣道という武術に魅力があったからでしょうね。

 

剣道では常に相手の動きを観察する事が重要です。

足の動き、方向、手の微妙な位置、ほんの些細な動作を集中して観察する事が必要です。

そんなディテールにこだわるスポーツは余り無いかもしれません。

 

もう一つの魅力は静と動です。

静まった世界からいきなり動きのある世界に突入する瞬間は快感です。

 

そして社会人になってから役に立った事が礼儀です。

剣道は単なるスポーツではありません。

礼儀を何よりも重んじるスポーツです。

勝敗よりも礼儀が大切だと言っても良いでしょう。

私は営業職ですが、そんなしっかりとした礼儀を見に付けたのがとても役に立っていますね。

 

ところで当初の目的であった、女性にモテることについてですが、

すっかり硬派に変身した私はそんな事を気にかける事が無くなったのです。

確かにモテるようにはなりましたが、それよりも稽古が大事だとひたすら稽古に精進したからです。

今思うとちょっと勿体無いような気分になる事もありますが、

大事な学生生活で一つの事に打ち込んだ事は本当に貴重な経験になったとしみじみ思っています。



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